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Twitterは科学にどう影響を与えてきたのか?科学誌”Nature”が特集

 Twitterは科学界にどのような影響を与えてきたのだろうか?Twitterが研究や科学コミュニケーションに果たした功罪について、世界的な科学誌が特集した。これは、2022年12月20日”Nature”に掲載された、「科学を変えたTwitterはどうなるのか?――それは今、混乱の中にある」というタイトルの記事だ。

 

 Twitterは科学者にとって有用なツールだ。新しい発見や共同研究の情報源となり、専門家や一般市民との交流を促進する。オランダ・ライデン大学情報科学ロドリゴ・コスタス・コメサナ氏の研究によると、全ての科学文献についてその約3分の1が、既にツイートされていると言う。

 

 しかし、Twitterには危険な側面もある。マサチューセッツ工科大学の研究チームが2018年に発表した研究では、真実よりフェイクニュースの方が素早く拡散されることが分かった。パンデミック下では、COVID-19関連の研究者が侮辱や脅迫を受けたり、陰謀論疑似科学が流布されたりする事態も起きた。

 

 Twitterは科学に対する透明性を高める一方で、誤解や偏見を生む可能性もある。スイスの製薬会社Rocheに勤める、計算生物学者ジェームズ・ホーリー氏は、Twitterで議論する科学者が増えるにつれて、ニッチな分野を深掘りする議論が減り、理解不足な人の意見や誤解への対処に追われるようになったという。

また、Twitterがエンゲージメントを優先するアルゴリズムによって、議論と無関係なツイートや広告が目立つようになったとも指摘する。ホーリー氏は最終的にTwitterを去った。

 

 Twitterと科学の関係は今後どうなっていくのだろうか?ワシントン大学の進化生物学者カール・バーグストロム氏は、「Twitterは私たちが研究しているいくつかの分野で迅速な科学的活動を行う上で、実に強力な手段となっている」と評価する一方で、「自分にとって不都合な結果が出たら科学を否定し、単に聴衆にもてはやされたいだけの荒しが運営するプラットフォームでは、有意義で生産的な科学的コラボレーションはできない」とも述べている。

Twitterは科学にとってプラス面もマイナス面もある、両刃の剣なのだ。

 

 

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